最近では聞き慣れない言葉で無くなってきた「プロゲーマー」や「eスポーツ」というワード。プロスポーツチームでもeスポーツ部門を設立するクラブが増加し、その市場は日に日に拡大していっている。
ブンデスリーガでは、シャルケが2018年にeスポーツ部門に対して800万ユーロを投資。世界的に人気なゲーム『リーグ・オブ・レジェンド(LoL)』を成長分野として力を注いでいる。RBライプツィヒもこの波に乗り、人気サッカーゲーム『FIFA』シリーズのeスポーツチームを保有している。だが、最近このFIFAチームに関して少し騒動が起きた。
不十分だったサポート体制
RBライプツィヒはFIFAのeスポーツチームとしてCihan Yasarlar、Alex Czaplokと契約していたのだが、19/20シーズンをもって契約の更新を行わないことをリリース。
すると、その後Cihanが自身のTwitchチャンネルで声明を発表。Cihanは大会などを戦うにあたって、RBライプツィヒは十分なサポートをしてくれなかったことなどを明かした。
個人的には、eスポーツの力が巨大化してきているからといって、全てのフットボールチームがそこに注力する必要は無いと考えている。必ずeスポーツ部門を設立しなければならないとは思わないし、必ず大きな投資をしなければならないとも思わない。実際、今回の新型コロナウイルスの影響でシュツットガルトとビーレフェルトのeスポーツチームは解散した。コストカットの一環としてやむを得ない決断と言えるだろう。
レッドブルとeスポーツの関係
しかし、それがRBライプツィヒならば話は別だ。
ご存知の通り、レッドブルはRBライプツィヒやザルツブルクなどのフットボールクラブを保有し、F1のようなモータースポーツでも大きな結果を出しているだけでなく、様々なスポーツをサポートしている。その1つがeスポーツ分野である。レッドブル主催の大会を開催したり、ゲーマーやストリーマーと”レッドブル・アスリート”としての契約を結ぶ(上図:日本人プロゲーマーのパイオニアであるウメハラもレッドブル・アスリート)など、この企業の存在感はここでも絶大だ。RBライプツィヒというクラブ名のRBは「Rasen Ballsport(芝生球技)」の略であるが、誰がどう見てもRed Bullの看板を背負っているこのクラブがeスポーツをぞんざいに扱うのは正しくない。
RBライプツィヒとしてのこれから
そんなRBライプツィヒは先日、eスポーツ部門を強化するとして、新体制を今回のために開設されたeスポーツ専用Twitterアカウントで発表した。
新体制「RBLZ Gaming」では、将来性豊かな14歳の若手選手や女性プレーヤーを含む4選手と契約した(女性選手のLena GüldenpfennigはRBライプツィヒ女子チーム所属のフットボーラーでもあるため、昨季のDiego Demme枠といった感じだろう)。さらに、今季からはチームにコーチも雇用して選手個々のスキルアップを促し、『FIFA21』のバーチャル・ブンデスリーガで好成績を目指す。
昨季に比べると明らかに手厚いサポート体制となったeスポーツ部門。レッドブルのクラブである以上、今季はフットボールとeスポーツ両方で大きな結果を残したい。
サッカーゲームで選手やチームのことを知る人も多いですし、「たかがゲーム」とは言えない時代になってきているように感じます。今季はフットボール部門ではCLベスト4という1つの大きな成果を出しました。次はeスポーツ部門でもポジティブな話題を届けて欲しいですね。